憂いのある音憑け -2ページ目

Pump up the volume 08'

行ってきました、こんな大きなハードコアの祭典なんか僕がハードコアを聴きだしたり、バンドをやってた頃は考えられなかったけど、今こんな形で実現したというのがものすごく嬉しく感じる1日でした。

どのバンドも本当に良かった、楽しかったとしか言いようがありません。

別にただのお客さんで、このイベントには全く関係ないんだけど本気で涙腺が熱くなりました。

きっと僕は来てた客の中では年齢も高い方で僕より若いお客さんがほとんどだったんじゃないかな?


僕がよくこっち系のライブに行ってた時はまだ僕は高校生で中では凄い若い方だったと思うんだけど、当時は怖そうなお兄さんたちが所謂スラムダンスやモッシュダンス、特にウインドミルが怖くて仕方がなくて、でも今は何だか僕よりずいぶん若そうな子がそれをやっていて、何か不思議な感覚というか何か変に温かい眼差しで見てしまったりしました。


さらに良かったのが恐らく海外バンド目当てで来たのか日本のバンドのライブではあまり見ないタイプの人が結構いたこと。

再三僕は日本のバンドは物凄いとここで熱弁していたのですが、なかなか実際それを目の当たりにする機会って少ないので、(どうしても来日バンドのオープニングアクトだと格下っぽい雰囲気が出ちゃいますし)、今回のように日本も海外のバンドも分け隔てなく並べて見れたのは日本のバンドのファンにも海外のバンドのファンにも良かったのではないでしょうか。

この見せ方なら日本のバンドが全く外国のバンドに引けを取らないと証明ができます、ってか出来てました!


またバンドも偏りがなくオールドスクールやニュースクール、メロディックな要素があるバンドまで多種多様なのも良かった。

全く飽きなかった。


どのバンドも良かったんだけど、特に何かと揚げるとするなら

Not 2 be like someoneは凄かった、実際音源は大好きで見たのは初めてだったけど、初めの1音でぶっ飛びました。

音圧が日本人離れしてたし、演奏がすごく安定してて上手かった、Naiadがいなくなっても京都にはNot 2がいる、むしろ日本にNaiadがいなくなって日本にはNot 2がいると思う存在感でした。

誤解を恐れずに言えば、僕に与えたインパクトからするとState craftの全盛期のライブ級の衝撃でした。


あとは胡散臭いメタルっぽいナリをしてたけどSworn enemyは抜群にライブが良かった、楽しさで言ったらたぶんこの日一番だった。

僕は彼らの音源はあまり好きじゃなかったので個人的にこれは凄いなと、CD好きじゃない人にここまで楽しませることができるのかと。

それはCOMADREにも言えたかな、あれもCDはあまり好きじゃなかったもので・・・

とにかくエンターテイメント性に富んだ素敵なライブでした。


あとはもっともっと見たかったけど、FC FIVEやENDZWECKももちろん良かった!気持ちいいライブ。


ただ1番の目当てはやはりMisery signals。

かなりメタル要素は強めだけどあの重低音と、それに重なる流麗なアルペジオが生で聴けるだけで失禁ものでした。


トリのBaneは曲をほとんど聴いたことがなかったけど、また知名度や期待値の割に盛り上がりもちょっと微妙だった(単に客が疲れてた?)けど、さすがのライブでした。

良いです、まあ曲はあり好きなジャンルではないのですが。


やっぱりライブに行かないと見えないものがあるし、ライブに行って気付く事も多いと思うのでライブは欠かさず定期的に行くべきだなと思いました。

こんな手作り感覚の楽しいフェスは初めてです。

大手のイベント屋が関わらずここまで出来たのは凄い、エンズの宇宙さんをはじめ主催者の皆さんは本当に大変だったと思います。


来年、今回の集客でまたチッタでできるのかわからないけど、来年も絶対やってほしいライブでした。

heaven in her arms / 黒斑の侵触





採点:★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★・・・・


凄すぎる、本当はその一言で締めくくりたいというか言葉が出ないというか何と言うか。

発売日に聴いて、去年のライブで買えなかったことを凄まじく後悔しました。

こんなCDを数カ月生殺しにされて、聴くことができなかったなんて。

聴いて駄作だったら、まあ早く聴けなくても良かったかなんて考えちゃいますが、これは去年ライブ会場で一足早く買えた人は羨ましい。

僕よりも数カ月分多くこの曲群を聴けたんだから。


もう

1曲目からラストまで、すべてがクライマックス。

すべてが絶頂です。

神がかってるとはこのことを言うんだ。


彼らの曲を聴いてENVYのパクリとか思う人も大勢いるでしょう、気持ち悪いと感じる人も大勢いるかもしれません。

確かに後期ENVYを彷彿させる長尺の曲やポエトリーリーディング、そしてポストロックを飲み込んだ激情系ハードコアなんです。なんですが!!!!!

しかし、僕の中では確実に人生で最高の1枚であり、ENVYを遥か彼方に忘れてきてしまうくらいの衝撃です。


複雑な曲展開、ハードコア、メタル、ポストロック等々、表情を豊かに変え、内向的な歌詞、絶叫、静寂、爆発・・・

初音源とは思えないバランスの良さに上手さ、完成度の高さ、全てが企画外の出来。

メタリックなビートダウンやカオティックな展開、そしてポストロック的なアプローチのアルペジオやバースト。

意味深なポエトリーリーディングに喉から感情と共に絞り出したような絶叫に鳥肌が立ちっぱなしです。


5分を超える長尺の曲とその間に挟まる短めのインスト、その展開も素晴らしい。

曲順も完璧。

1枚をぜひ通して聴いてほしい。


静寂と絶望、そして激情に次ぐ激情。

すべてに飲み込まれ身を任せて下さい。


しかし、楽曲の完成度もさることながら、この言葉はどこから出てくるのだろう。

VoのKent氏の独特の声と詩の世界観にハマりすぎています。


一生に何回あるかどうかのこういうCDやバンドとの出会い。

これがあるから音楽はやめられません。


日本人でよかったと思える一枚であり、日本が誇る最高峰のバンドだと断言できます。

しかし恐ろしい作品を作ってしまったな彼ら。

この出来だと2ndのジンクスに引っ掛かってしまうのではと心配にすらなります。


1stアルバムにして既に生ける伝説と化しました。

棺の中に持っていきます。



10/13 Ampere Japan tour final at ERA

半年ぶりの更新、かつ実に1年半ぶりのライブ。

行ってきましたAmpere来日公演。

この日の出順は


Heaven in her arms

La quiete(Italy)

KILLIE

Bandwagon

Ampere

As meias


恥ずかしながら無理矢理に早上がりをして会社帰りにスーツでERAに行きました。

と、言うとほぼ誰だか特定されそうですが・・・

明らかに異質でしたから(苦笑)

でも僕以外にも数人スーツの人いたんで安心しましたが。

と、余談はさておき本題へ。


実は全バンド初体験でした。

ただBandwagon以外はCDは持ってたのでかなり気分的には楽でした。

この日の僕の目当ては来日したAmpereもそうなんですが、Heaven in her armsが一番の目的。

あの音源の非の打ち所の無さと言ったらもう・・・

現段階で僕の中で日本で1番好きなバンドと言ってもいいくらい、そのくらい音源が気に入ってたのでライブも気持ち入っちゃいますよ。

まさか主催バンドが初陣を飾るとは思っていなかったものの、まさか1番の目当てが1番に見れるなんてと自ずと気分は高揚します。

この日の選曲はほぼベスト!!

ファンにはたまりませんでした。

が、が、!!

ライブは予想外にまとまっている。

この手のバンドは張り詰めた感じだったり、不安定さだったり、危うさだったり、儚さだったり、いい意味での気持ち悪さを持っててそれが見る者を圧倒するものだと個人的には思っているのですが、彼らはそれが非常に薄かった。

激情系とかハードコアのライブを見てるというより分厚い音のポストロックか安定したへヴィーロックバンドのようなパフォーマンスで少々肩透かしを食らってしまった。

整合感もあるし、安定感は抜群、安定感で言ったらたぶんこの日のバンドでは1番かもしれない。

けど、危なっかしくない。

安心して見ていられるライブ。

これは一般的にはいい意味なんだろう、けど、僕は彼らに先述の見てる物に嫌な感じを与えるものを期待してたのでちょっと残念でした。

でもリズム隊は凄くしっかりしてるし、ギターのエフェクトの使い方も良かった、低音のノイズから高音のノイズまでハッキリ聴き分けられたのでそれはそれは素晴らしかったです!!

あとは強いて言うならハコのせいなのかやたら音が重くなってて、そんな音重くしなくても・・・みたいな印象はありました。

でもそうは言っても曲の構成というか出来は本当にここ最近のバンドでは抜きに出ています、やはり厳しめに見てしまったもののカッコイイですよ。

もし彼らを全く知らなくて今日初めて聴いたとしたら恐らくライブハウスで死んでる。

次見るときは危なっかしさを見せてほしい!!とか思っちゃうけど、きっと多くの人の琴線に触れたことだろう。

やっぱね、曲の出来はあまりにも完成度高すぎ、これが正直な感想です。

僕の中では去年既にEnvy超えてますから。


2番手はイタリアのLa quiete。

いわゆる典型的な海外の激情系。

ファンの方には申し訳ないですが、曲もパフォーマンスも普通だなと思ってしまいました。

実際既にあんまり記憶にない・・・


それより何より3番手KILLIE。

彼らは雰囲気があった。

雰囲気勝ちという点では今まで見てきたバンドの中でもかなり上位に位置すると思う。

髪形や服装も合わせたのかと思うくらい統一感があり、危うさとナイーブさ両方を兼ね備えるルックス。

これぞ現在のエモ~ハードコアよ。

そしてパフォーマンスもかなり良かった、もちろん結成以前にも各々それなりに力のあるバンドで活躍してたのだから案外ベテランの風格だったのかもしれない。

感情的な動きに、衝動、狂気、僕がHeaven in her armsの時に書いた彼らに求めていたものをKILLIEは持っていたと思う。

今日来て良かったと思わせるライブだった。

正にカオティックという名に相応しい曲展開にパフォーマンス、混沌の世界を体現してました。


4番手はBandwagon。

実は今日名前しか知らなかった唯一のバンド。

自分達でもMCで自分達だけ異質って言ってたけど、正にそう。

今日の狂気の世界にはあまり縁の無さそうな、踊れるロック・パンクでした。

でも多少変態系の展開もあったりして、変態系カオティックとかとはもしかしたら通じ合うものがあるのでは?

演奏なんかも非常にしっかりしてたし、安心して聴ける感じで興味はなかったけどなかなか良かったです。

ジャンルの趣旨とは多少離れちゃうような音でも、今日のライブにはなくてはならない音の一つだったと思うし、これだから音楽って面白いと思う。

実際彼ら目当ての人がどれくらいいたのかわからないけど、明らかにAmpereを見に来ただろう外国人の客をノリノリにさせてたのは称賛に値するだろうし、MCもいいこと言ってたし、今後注目しようかなって思いました。

こんな感じの音は日本よりも外国ウケしそうだよなー。

たまにやたらエモいギターのフレーズとかもあってあなどれない!!


5番手、いよいよ真打登場!!Ampere!!

ORCHIDという伝説のハードコアバンドのメンバーが在籍するっていうんだからもう辛抱たまりません。

そしてギター女性??

音源持ってるけどあの目まぐるしくけたたましく狂ったギターは彼女なの??

やばい、それだけで死ねる。

ステージの袖にはHeaven in her arms、KILLIEの面々が。

そう、今日が彼らの日本最終公演。

何か皆やりきった感と寂しさと複雑な心境っぽくて、ライブ前やライブの間にハグしたりとかして、その姿を見て、頑張ってここまでのものを作り上げてきたんだなと感動。

そして彼らのライブ、日本での最終公演すべてを絞り出さんばかりの音の洪水、激情の嵐にまたまた感動。

1曲1曲が極端に短く、また曲がやかましくて速いのでどれが何の曲かは全く分かってないけど、圧倒された!!

僕はハードコアに関しては日本は世界最高水準だと思ってますが、外国のバンドにこういうライブやられちゃうと、やはりライブでは海外のバンドは強いと言わざるを得ない。

圧巻。

複雑で一見グチャグチャなんだけど、よく聴くとベースとドラムは精密機械のように正確無比。

だからギターとヴォーカルが思う存分暴れられるというわけ。

確信犯的なキレっぷり。

ヴォーカル以外あまりパフォーマンスは派手じゃなかったけど、それが逆に緊張感が出てて良かった。

やろうやろうとしているのではなくあくまでも自然体の中から出るエモーショナルがとても胸に突き刺さりました。

やはり盛り上がりも断トツ。

アンコールではこのジャンルでは異例のまさかのサークルピットが!!(ヴォーカルの指示だけど)

皆楽しそうで良かった、僕も楽しかった。

仕事が忙しくて音楽を少しないがしろにしてたけど、今日いろいろなバンドの訴えかけるものを感じて凄いいい刺激になりました。


仕事の後にライブは体力的にはきついけど、これからも続けていこう。



ただ、ただ一つあまりにも大きすぎる心残りが!!!!!!


ライブの物販のみで先行発売をしているHeaven in her armsのフルレングス「黒斑の侵蝕」。

僕が今年最も待ち焦がれていた作品の一つで、今日ライブに行った目的の半分以上が実は早くこのCDが欲しかったから。




売り切れてました・・・泣くに泣けない。

悔しすぎる。

一般に流通するのはまだ先だそう。

Heaven in her armsの皆さん、もしこの記事を読んでいましたら一刻も早く待ち焦がれている人々に音楽を届けてあげてください!!!


lifeinyourway

採点:★★★★★★★★

3枚目のアルバムが出ました。
これがかなり良い!

昔はhopesfallのフォロワー的な臭いがしてましたが、着実に実力を上げてきた感があります。
ただ流行のメタルコアっぽい感じもちらほら…

音が軽いのが切迫感があってエモかったのが、重くて圧迫感があってエモいになってます。
何となくTHURSDAYがハードコア要素とメタリックな要素を取り込んだみたいな感じですかね。
今回はおとなしい曲とかミドル~スローテンポの曲もあって、歌メロも凝ってます。
幾重にも重ねたハーモニーは鳥肌もの。

更にSTRONGARM~SHAI HULUDばりの泣き走るパートも強化!!
号泣です。
でも声が太くなってるからエモさは声的には前作までに軍配か。

トータル的な雰囲気はMISARY SIGNALSとかHASTE THE DAYの最新作と同じ感じがします、まぁそこまでゴリゴリではないにしても。

最近切迫感を激情系、アングラヒップホップ、日本のポストハードコア~ロックに求めてたので久々に叙情派ハードコアで心に訴えかけられました!!

これは聴く価値大ありですよ。

acidman / green chord



採点:★★★★★★★★☆☆


我等がACIDMANの新作です。
個人的にメジャーで一番インディーロック、ポストロックっぽいことをやってると思ってます。
しかしまぁ今回は凄い!
過去のアルバム全部凄いけど、またネクストレベルにいきました。

というのはあくまでも個人的な感想で、人によってはおとなしくなってしまったと感じるかもしれません。

言ってみれば過去の作品は初期衝動や疾走感でエモーションを出していたバンドが大人になって、成熟感を身につけもう一つの感情の表現の仕方を編み出したみたいな感じでしょうか。

今までは激しい曲は激しい、静かな曲は静かだったんですが今回はまるでモグワイ、まるでEITSかと思わせる静寂→轟音っぷり。
鼓膜と心を激しくゆさぶります。

更に歌詞も文学的というか素敵なんです。
歌詞も切なければ音もとことん切ない。

メロディも素晴らしすぎる…
泣けます。

こんなバンドが日本に、更にメジャーにいること。
これは日本の音楽シーンにおいては奇跡!!
その事実、シングルしか聞かない人は分からないでしょう。
ACIDMANはシングルの数倍アルバムが素晴らしい、というか通して聴いて初めてACIDMAN。
シングルでは出来ない前衛的な音の塊。
いや粒?粒子?

今の彼らに敵は無し!!

日本最強の3ピース、世界標準です。

このブログに触れた方全てにオススメします。

SOTTE BOSSE / innocent view

採点:★★★★★★★★


こ・・・これは抜群によいです!!

まぁ簡単に言うと誰でも知ってる有名な曲をオシャレーな感じでカバーしたアルバムなんだけど、あなどるなかれ。

まあカバーの域を抜けてない曲もあるけど、うち数曲はオリジナルかと思うほどの出来。

ってのは言い過ぎとしても切なくて涙が出ちゃうようなアレンジになっちゃってます。

マッキーの「遠く遠く」なんかが良い例です。

あの曲はもともとマッキー節のポップソングですけど、彼らの手にかかるとオシャレかつどことなく憂いを帯びた曲に!!

あとは小田和正の「言葉にできない」は珠玉の一曲です。

何しろ歌ってる女性の声。

これにつきます。

多少くせはあるのでもしかしたら好き嫌いがあるのかもわかりませんが、最近久しぶりにいい声だなと思った歌手ですね。

もともとの声質が非常に憂いがあってエモくてタイプ。


でもこのアルバムの一番すごいのはここじゃない!!

何が凄いかって日本の音楽の歴史に名を刻む名曲たちが名を連ねる中、一番良い曲は自身の初のオリジナルとなる「hello」だからです。

僕はこの曲知らないけど誰のカバーだろうとネットで1時間ほど探しました。

そのくらい出来が良い!!

なにこの切なさ。

泣くよ。

何この声。

泣くって・・・

このピアノ、このストリングス。

歌詞。

あらゆる要素が涙腺を刺激してやみません。

シングルで出したり何かでタイアップされたりしたら確実に引っ張りだこ、問い合わせ殺到間違いなしでしょう。

でも、個人的に僕としては単館上映系の日本映画の主題歌なんかがイメージ沸きます。

この1曲に2500円の価値、あります。


それのおまけとしてオシャレに素敵にアレンジされて生まれ変わった日本を代表する珠玉の名曲のカバーが聴けると思ったらこのアルバムは安すぎでしょう。


ちなみに今はビレッジバンガードでしか売ってないそうです、先行発売なようで。


RADWIMPS / RADWIMPS4~おかずのごはん~



採点:★★★★★★★★


いよいよ国民的ブレイクを果たしたラッドの4枚目。
悲しいかなまたまたアルバム収録曲の方がシングルよりずっと良い!

彼等は言葉の選び方が巧すぎる。
僕は洋楽邦楽インスト、全て同じ音楽として耳に入ってくるので歌詞は気にしないんです。
が、彼等の歌詞はそんな僕の耳にも心にもスーッと入ってくる。
そして耳の周りに鳥肌を立たせ、涙腺を刺激します。
ストレートだったりひねくれてたり、シリアスだったりファニーだったり。

そしてメロディセンスも抜群!
歌詞に相まって涙腺を刺激しまくる非常にエモーショナルなメロディ。
たまにパクりっぽいメロディもあるけど、ご愛嬌。

更に特筆すべきは若いのに楽器隊も上手い!
特にギター。
このピロピロ具合はエモ?スクリーモ?叙情派ハードコア?
凄まじくエモい。
ギターだけで逝ける曲が何曲もあります!
たまにZAZENチックなややカオティックな展開もあり○。

果たしてこのバンドはJ-POPにカテゴリーして良いのか?
そこらへんのエモバンドよりよっぽどエモいよ。
流行ってるからとか日本人だからって敬遠してる皆さん。
一度聴きなさい、そして震えなさい、泣きなさい!

今更ながらBest of 2006

僕は仕事柄年末年始は激務だったもので、今になって2006年総決算の記事を書きます。


Best album


① Mynameis... / 東京プラスチック



これはもう本当に名盤!!

あり得ない位良い。

切なくて激しくて暗くて、日本語で。ちょっと懐かしくて。

エモ~ポストロック~ハードコア~日本語ロック全てのファンに自信を持ってお薦めです。



② キリコ / 僕は評価されない音楽家



これは正直こんな上でいいのかと思うけど・・・

問題作だしたくさん聴いたし。

歌詞が!!!歌詞が!!!歌詞がーーーーーーー!!!!

とにかく歌詞がヤバい、日本のヒップホッパーの8割を敵にしてるだろうな。

YO!!リアルな~なんちゃら♪みたいなラップに疑問を持ってる人は絶対聴いた方がいいです。

うおー、すげー!

でもきもーい。

それが僕の正直な感想でした。

カッコイイと悪い、その境界線ギリギリな感じが素晴らしい☆



③ Not2belikesomeone / Tragic orchestra




また新たに京都から日本が世界に誇れるバンドの登場という事で心が震えました。

激重の分厚いゴリゴリのリフやビートダウン、モッシュパートがありつつも叙情感たっぷりの展開に完全にやられました!!

またこのVoは凄い。

地響きのするようなデス声から空気を切り裂くようなシャウトまで簡単にやってのける。

抜群とはいえないけどメロディーも歌える。

これはもう全ハードコアファン必聴ですね!

東京に来たときはオールドスクールのファンにも結構ウケが良かったそうです。


④ Ino hidefumi / Satisfaction



何これ!?めちゃめちゃかっこいいじゃん。

フェンダーローズにドラムとベースのシンプルな編成のJAZZ?アルバム。

でもインストのヒップホップとかエレクトロニカに近い感じがするからさあ大変!!

一日1回は聴かないと調子が出ないくらいになってしまった、中毒性の高いアルバムです。

皆が知ってる曲のカバーとかも入ってたりして、それがオシャレなアレンジになってたりして、そういう面でも非常に楽しい作品に仕上がってます。

サブカル好き、アングラ好き、オシャレ好き、そんな人が普通の人が読まない本を読みながら普通の人が飲まないお茶とか飲みながら聴いてそうな感じ、ちなみに僕もその一人(笑)



⑤ 環ROY / 少年モンスター




ダメレコの一員、環ROYの1st。

これが予想以上に聴きやすい、そしてポップ!!

何か可愛い。

センス抜群!!

こりゃー、メジャーに出たら売れちゃうんじゃねーの??って感じ。

耳馴染みの良さはリップやらキックやらに通ずるものがありますよ。

でもどこかひねくれてる、ねじれている。

他に似たタイプのMCはいないし、存在感あるし、独特の韻の踏み方やフロウがたまりません。

そして何よりダメレコだから1000円!!

今すぐ買いに行きなさい!!


⑥ CRYSTAL LAKE / Dimension





今や168系列の顔になったんじゃないでしょうか、飛ぶ鳥を落とす勢いの彼ら。 

State craft直系の叙情派メタルコアです。

重い所はとことん重く、邪悪に。

切ないところは切なくエモく。

そしてお決まりのスポークンワード。

基本に忠実に、だけどもはやフォロワーとは言えないレベルです。

音圧に耳を持って行かれ、叙情感に心を持って行かれます。

僕の中ではLOYAL~よりはるかにカッコイイです!!

素晴らしい。



⑦ Mono / You are there



非常に美しい作品です。

Mogwai以降のバンドでは確実にトップだと勝手に決めちゃいます!!

ハードコア勢もそうだけど、こんなバンドが日本にいて日本人は誇りに思わないと。

てか、Mogwaiが轟音を多用しなくなった今、静寂~轟音の美しさを背負って立つのは間違いなくこのバンド。

美しく静かなパートから壮大で轟音な展開まで、もうこれはクラシックと比べても大差がない世界観が構築されています。

世界観や雰囲気で言えばMOGWAIより既に上でしょう。

日本が世界に誇る最高のバンドです!!



⑧ Envy / Insomniac doze





またまた日本が世界に誇るバンドです。

既に大御所ですが。

Mogwaiのアルバムにも参加してますしね、ワールドワイドですよ。

ここ数年でえらい音楽性が変わっていい意味でも悪い意味でもMOGWAIっぽくなっていますが。

僕はこの変化は進化と捉えてます。

今回のアルバムはそんなに暗くないんですよね、結構聴いてて心地いい!

静寂~轟音っすね。

そして叫び!!

前作までの暗くヒリヒリしたところから抜けて、どこか暖かみすら感じる作品になってます。

激情がすきな人は物足りないかもしれませんが・・・



⑨ Cleave / Pay the price for love



関東の活きの良いメロディックハードコア~モダンオールドスクールバンド。

歌は上手いとは言えないけど、この速さ、タイトさ、切なさは、他のこの手のバンドより頭一つ抜けてます。

結構聴きやすくていいんですよねー。

特にHeaven in her armsのVoがスポークンワードで参加してるM2はヤバスギ!!

普段英語のみの歌詞のバンドに日本語のスポークンワード。

この化学反応は耳が常にゾクゾクしっぱなしでした。


⑩ Deftones / Saturday night wrist




大御所、もう貫禄充分。

世界観充分。

申し分なし。

相変わらずエロイ。

安定感があり、多少聴きやすくなった感もあります。

分厚いグルーヴにタイトなリズム、エロエロのヴォーカル、たまに劈く咆哮。

この独特の音作りはパイオニアであり、フォロワーを寄せ付けません。



今年はこうやって見ると本当に色々な音楽をバランスよく聴いていた1年だったと再確認です。

ハードコアは勿論、ポストロックにヒップホップ、クラブジャズまで。

他にも載せたかったアルバムは山ほどあるんだけどなぁ。

今年は日本の若手ハードコアも活きが良いのたくさん出てきたし、ポストロック方面も非常に充実してたし。

日本のハードコアはオールドスクール勢の台頭が目立ち、ポストロックはMOGWAI以降の静寂~轟音のインストロックの新生が多く出てきました。

2007年も僕の耳をゾクゾクさせてくれる音楽がたくさん出てきてくれることを祈ります。

キリコ / 僕は評価されない音楽家



採点:★★★★★★★☆


うーーーーー、凄い。

リリックも凄きゃそのフロウの独特さも凄い。

本とか某大手CD屋には「降神以来の衝撃」って書いてあったけど、んで志人と比較されてるらしいけど、分かるような分からないような・・・

僕の印象はダークな志人、もしくは気持ち悪い般若?感情豊かなMAKKENZみたいな。

はっきり言ってかなり気持ち悪いです。

でもはまると抜け出せないです!!

慣れるとトラックもカッコイイし、ラップも独特でたまらない感じになってきますよ!!

スポークンワードっぽくもあって、音楽に乗ってるというよりは音楽に乗せて演説をしてるみたいな印象でしょうか。

かなり熱いものから冷たい印象のものまでラップもかなり緩急つけてます。

スタイルは通してそのまま気持ち悪いですが(いい意味で)。


で、問題がリリック。

かなり「おいおい大丈夫なのか??」って心配になっちゃいますよ(笑)

でもこの反骨の精神みたいなのが素敵です。

何かとりあえずでかくて悪い事を言ってりゃいいみたいな姿勢のラッパーとは一線を画してます。

彼のリリックは危ない橋を渡りながらもニヤリとするものや共感するものも多いです。




98%のラッパーに興味無し、そんな事を思いラップをしていたので98%のリスナーに無視


ラッパーはほとんどマリファナをしているから僕も赤い目の仲間入りです


リリックを書く時刺激が足らず薬を打って書いています。


人を一人殺してみました。人を一人殺してみました。人を一人殺してみました。

やっとリアルヒップホッパーになれた気がします。


賛否両論も巻き起こせない軟弱な音楽


チェケラーとかYOとかは使わなくしてみた


有名なラッパーにこびってみたり有名なラッパーをディスってみたけど返答は無し(見当はずれ)



どうです??このリリックを見ただけでも聴いてみたくなるでしょう??

彼なりのカッコ良さとユーモアが出てますよね。

まぁはっきり言って無理な人は完全に拒否反応が出るでしょうけど問題作としてこっこに紹介しておきます。

僕はカッコイイと思いますし、イチオシです!!

NOT2BELIKESOMEONE / Tragic Orchestra

採点:★★★★★★★


NAIAD以来の衝撃として京都から現れた超新星NOT2BELIKESOMEONEのデビューミニアルバムを紹介します。

これがまた抜群に良いんです。

ただNAIADとは全くの別物。

多少叙情的なフレーズはあるので完全に違うとも言い切れないのですが、基本的にはかなりブルータルでメタリックなハードコアなんで。

そんでもってかなりカオティックでもあります。

外国で似てるバンドは無いですね、勿論日本でも。

かなりの独自性があります。

故に結構聴く人を選ぶかもしれません。

ダメな人はダメなのかも・・・

でも素晴らしくカッコイイし、クオリティーも抜群に高いです。

1つのCD、いや1つの曲で何曲分もの美味しい所があるんです。


メタリック→ブルータル→ビートダウン→カオティック→叙情派→美メロ


と言った具合に。

それも一つ一つのパートがおざなりにならない、どこもしっかりしてるので凄い。

中途半端じゃなくかなり作りこんでます。

特に激烈なビートダウンから急に光がさしたように暖かいアルペジオに移行する様は鳥肌物ですよ。


このバンドは展開の複雑さもある事ながら特筆すべきはヴォーカル。

まるでツインヴォーカルかはたまたトリプルヴォーカルかと思わせる多機能&高性能っぷりには感服です。

日本人離れしたデス声を披露したかと思えばすぐさま天をも切り裂くような絶叫に。

そしてメロウでエモい歌メロまで歌い上げちゃいます!

声質と実力は日本随一じゃないかな。

喉がダメにならないか心配です(苦笑)


とにかく激しくて重くて、それでいて切なくエモーショナルな音楽を聴きたければ手に取ってみてください!!