LITE For All The Innocence | 憂いのある音憑け

LITE For All The Innocence

For all the innocence(初回盤)/LITE

¥2,000
Amazon.co.jp

★★★★★★★★★

素晴らしすぎる、大傑作です。
近年のLITEの進化、深化、真価がとても良く伝わってくる捨て曲一切なしのアルバム。
昔からのファンにも、普段インストのポストロックは聴かないという人(特にインスト聴くなら打ち込み系だという方)、本当に色々な方に聴いてもらいたいです。
近年のLITEと言えば、バキバキゴリゴリの攻めの形からシンセを使い出したことによって柔らかく、空間的な音を駆使しバンド全体も良い意味で角が取れたような新たな側面を見出しました。
前のミニアルバムやシングルはその過渡期であり、実は僕自身少し受け入れにくいというか、別のバンドでこの音出すバンドがいたら凄いし好きだなーと思うけどLITEはLITEであくまでPhantasiaやそれ以前の音がいいなーと思っていました。

そこで、アルバムが出るという情報が入り僕自身楽しみな反面もう帰ってこない方面にまで行ってしまっているんではないかという不安もありつつ・・・
でもtwitter等で周辺の方々が口々に絶賛をしていて、果たしてどんな作品なのか、期待と不安でウズウズする日々。
で、待ちに待った結果、これか!!という不安を吹っ飛ばして、更に日々の嫌な事まで全て吹っ飛ばしてくれる凄い作品に仕上がっていました。

打ち込みとバンドのバランスがまず、凄い。
シンセの音の広がりとスパイスが本当に絶妙で、ある時には主役になり、またある時はバキバキのベースとギターの中をふわふわと浮遊し、タイトなドラムと跳ねたり踊ったり。
正に変幻自在。

と、打ち込みの事ばかりですが、やはり今回の作風が今までのフルアルバムと一体何が違うんだというミソはここであり、このアルバムの決定的な気持ちよさも正にここにあると言えます。

とは言え、今までの攻めの作風が失われてるわけではありません。
バキバキのベースは勿論健在ですし、リズミカルで複雑かつソリッドなギターアンサンブルももちろん今回も素晴らしく、ドラムも相変わらずタイトで言う事無しです。

打ち込みの妙を手に入れもはや敵無しのLITE。
これで無数に出てきたフォロワーの絶対手の届かない高みへ行ってしまいました。
世界のこの手のバンドと比べてもここまでの作品はまずそうありません。

本当に最高に素晴らしいので、是非一度聴いてみて下さい。

特にRed Horse In Blueは最初から最後まで鳥肌立ちっぱなし。