heaven in her ams 被覆する閉塞
- 被覆する閉塞/heaven in her arms
- ¥1,470
- Amazon.co.jp
★★★★★★★☆
最新作幻月と1stとの橋渡しになる4曲入りep。
とは言え1曲が長いので約30分の大作となっています。
内容としてもまさに橋渡しとなるべき存在の作品で彼らの進化と成長の過渡期として非常に重要な作品と言えます。
作風は1stの延長線上でありながら更に重みが増し、硬質な雰囲気が強くなっています。
それでも幻月までは重くないので、あそこまでいくと重すぎて聴きにくいという人にはちょうどいいんではないでしょうか?
全体的には物悲しいアルペジオを核とした3本のギター×意味深かつ難解な歌詞×タメ~爆発力という激情的な展開という意味ではセオリー通りですが、前作から大きく変わっているところはより深く深く入り込んだ展開でしょうか。
デモ~前作まで、彼らは本当に同じバンドかと見まがうほどの劇的な変化を遂げてきましたが、今回はあくまでマイナーチェンジ。
前作でチラッと見えていたメタリックな部分と、それに相反するポストロック的なギターフレーズがより輪郭を浮き立たせていると言っても分かりにくいでしょうか。
上手く表現しにくいのですが前作で言えば鉄線とカナリアの後半部分や赤い夢の間奏部分で用いられていた手法をより強調しているといった感じが率直な感想でした。
更にその進化に伴い、インストの部分が長くなり、またポエトリーリーディングの部分も必然的に増えているのでやもすると冗長に感じることもあるかもしれません。
僕自身、初めて聴いた時はちょっと勢いに欠けていて整合性ばかりが目立ってしまうなーなんて感じていたのですが。
ただ、その作風がかえってスルメ的な要素を持たせている(あくまで個人的な意見ですが)ので飽きがきにくいとも言えます。
そして、このCDで何よりも欠かせないのが最後の『角膜は月で歪む』の存在です。
この1曲で買う価値ありと言い切れる大名曲。
前の3曲はこの曲に対する布石?と言う位、期待以上の素晴らしさ。
前の3曲が深い故におとなしい、だから最後のこの曲がとても映える。
素晴らしすぎるコントラスト!!
この珠玉の最後の1曲は所謂激情ど真ん中の曲で前の3曲と比べて異質なのですが、皆が好きでたまらない展開、フレーズの嵐でしょう。
頭から叫び、ギターは泣きまくりで唸りまくり、途中の落ち着いた緩やかなパートの切ないアルペジオと語り、そして終焉に向かうに連れて徐々に全体の高まりを感じ最後の爆発力・・・涙無しには聴けません。
特に最後の最後の泣きのギターは、激情史上稀に見る涙腺刺激度です。
皆さん是非。
また、最後にこの場をお借りして一言。
今回この記事を書くにあたって、是非このCDの記事をというメッセージを頂き書かせていただきました。
普段自分が音楽を聴きながら何気なく思ったことを列記しているだけの自己満足の長文駄文にも、ちゃんと読んで下さっている方がいて、反応して頂いてるという現状に驚きと喜びとを感じでおります。
そして、約2年ほったらかしにしておいたこのブログを改めて始めるに当たっても、ある友人からの言葉でまた始める事ができました。
2年も放っておいたものをまた始めるにはその人の後押し無しにはあり得ませんでした。
この場をお借りして御礼申し上げます。
本当にありがとう。
これからも不定期ではありますが、少しずつやっていきますのでよろしくお願い致します。